Neighberhood
なにも変わらない、いつもの日常。
毎日毎日同じ事を繰り返してて、いい加減に飽きてくる。
なにか面白いモノはないかと努めたが、見当たるのは読み尽くした雑誌だけ。
私はベッドの上で、仰向けに寝転がった。
今親がいないせいか妙に家の中が静かで、電車の音がよく聞こえる。
私の横には折りたたみ式の携帯が一機、投げ捨てられたかのように置いてある。
この携帯はここ1年、あるメールの受信を知らせていない。
ピルルルルル…
携帯がメールの受信を告げた。
がばっと起き上がり急いでメールを開いたが、それは私が待っているアイツからのメールではなかった。
私は返信もしないで携帯を閉じると、そのままベッドに倒れ込んだ。
(くるわけない、か…)
《 neighberhood 》。
それが私の知ってるアイツの名。
私がずっと待ってるメル友だ。
□□□
ピルルルルル…
携帯がメールの受信を知らせる音を、いきなり出した。
私は面倒臭かったが仕方なくメールを開いた。
それがアイツとの初めての出会い。
その年で最も暑い、夏の日の事だった。
『初めまして!僕は高校一年生のneighberhoodです。メル友を探してます。』
「メル友?」
その時私は幼なじみのコータに失恋して、なにに対してもやる気が起きていなかった。
だからそれは、そんな私にとって良い暇潰しに過ぎなかった。
『こんにちは★私はneighberhoodと同じ、高一のLOVELESSです!実は私、せっかくの夏休みなのに、親に無理矢理机に座らされて勉強ばっか!私もneighberhoodとメル友になりたいな。』
それからはアイツとのメールは、毎日のお決まりになった。
他愛のない話で盛り上がり、いろんな事を語り尽くした。
それこそ、コータの事も…
私はいつの間にか、暇潰しだったそのメールが毎日の楽しみになっていた。
ふと気がつくとメールを待ってる自分がいるのだ。
最初はただの暇潰し程度にしか思っていなかったのに豪い変わりようだ。
そんな自分が可笑しくて、一人で笑っていた。
そんなアイツからメールが来なくなったのは、今からちょうど1年前。
出会った時と同じ、夏の暑い日の事だった――
オリジナル第二段!!!
始まりましたNeighberhood。メル友のお話に御座います。
猫が純粋に恋愛話を書いた珍しい作品になってます(笑)いつもちゃんばらとかさせちゃうからなぁ…
始まりは夏なんですけど、時間的に『今』が冬ってことになっています。
それでは、また続きで逢いましょう…